カエンタケ- ボタンタケ科 -

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カエンタケ写真1
カエンタケ写真3
環境
カエンタケは林内の地上やブナやクヌギなどの広葉樹の枯れた切り株などに発生します。
まとまって発生する事は少なく、単独で生えている事が多いようです。
海外においては主に朝鮮半島で確認されており、近年ではオーストラリアでも生育が確認されています。
季節
初夏~秋
カエンタケ写真2
カエンタケ写真4
その他の名称
火炎茸、火焔茸
学名:[Trichoderma cornu-damae]
価格
不明
特徴
カエンタケは高さが10~15cmほどに成長するキノコで、その名があらわす通り、全体がまるで燃え上がる炎のように上に伸びている赤いキノコです。(二枚目の写真のような薄い赤色ものや黄色に近い色をしている場合もあります。)

形は鹿の角、またはふっくらとした人の手の指のように枝分かれしており、先端に近づくほど、やや色が濃くなっています。
カエンタケの肉は硬く、内部の肉は表面の赤っぽい色とは異なり、白に近い色をしています。

このキノコの姿を見て食べようと思う人はあまりいないと思いますが、猛毒を持ったキノコなので、口に入れる事はもちろん、手でさわる事も避けた方がよいでしょう。

日本でも6件の事故が報告されており、酒に浸して飲んだ人が死亡したという事例も報告されているので何らかの加工や処理を施したものでも絶対に口に入れないよう、注意しましょう。
皮膚に触れただけでも炎症を起こす危険性があるので前述の通り、手などで触る事もさけるべきです。

カエンタケに似ているキノコとしては冬虫夏草やベニナギナタタケなどがあげられますが、並べて比べてみるとベニナギナタタケとは肉の硬さや質感、色なども異なっている事が分かります。

特に注意すべきこのキノコは西日本を中心に発生量が増加傾向にあるとされ、東北地方でも発生が確認されています。
海外では朝鮮半島でのみ確認されていましたが、2019年に日本から数千キロも離れたオーストラリア北部にあるケアンズ(Cairns)の郊外でカエンタケが発見されました。(ジェームズクック大学の菌学者であるMatt Barrett氏がカエンタケと確認)
これはこれまで考えられていたカエンタケの分布域を大きく広げる事になる発見で日本国内でも分布域の拡大が予想されます。

尚、カエンタケはかつてはニクザキン科のキノコとして扱われていましたが、ニクザキン科のキノコの特徴を正確に表しておらず、ニクザキン科のキノコとは言えないという結論に達した為、現在ではボタンタケ科のキノコとして扱われています。
また、分類が変わった事によって学名も「Podostroma cornu-damae」から「Trichoderma cornu-damae」へと変更されました。
猛毒きのこ。
カエンタケは最強の猛毒キノコとも言われている非常に毒性の強いキノコです。
ある情報によると3cmほどのカエンタケを天ぷらにして食べた所、数日間40℃の高熱を出し、髪が抜けて、小脳が萎縮してしまった為、運動障害が出たそうです。
致死量は数グラムと言われており、上記の症状の他、言語障害や手足のしびれ、呼吸困難や皮膚のただれや腎不全なども起こるされています。

また、触れただけで皮膚から毒素が吸収される毒キノコはカエンタケのみとされています。
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